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執筆者の写真atelier Ruchi Tom

美しいインクルージョンの鉱物図鑑 出版のお知らせ。撮影秘話なども。

こんにちは。


いつもありがとう御座います。今回はご案内です。


2022.10.03にエクスナレッジ様から「美しいインクルージョンの鉱物図鑑」


出版する事になりました。


こちらは、全国の書店やamazonや楽天さんでも購入可能です。


ただいま予約受付中です。アトリエルチ のオンラインショップでも販売予定です。


Ruchiのオンラインショップは、まだ準備が出来ていないので少々お待ちくださいませ。


こちらの図鑑のお話しを頂いたのは、約2年前。出版者の方からメッセージを頂き、それからzoomでやり取りを重ね、


この人と一緒にお仕事してみたいなって思って、お受けしたのが最初でした。


コロナ渦真っ最中の中、買い付けにも行けない状況だったので、お話しを頂いてからまず石探し。

瑛介が時差のある海外と夜な夜な石を1つ1つ見せて頂いて選んでます。

中には、ディーラーさんが売りたくない!という石を貸して頂いて撮影したものもあります。


石が届いたら鑑別に出し、いつもの日独宝石研究所に鑑別をお願いしております。

いつも丁寧に分からない事を教えて頂いて本当に感謝です。


返却された石をお天気の良い日に撮影。


そんなんで形になるのに2年もかかってしまいました。


今ならもっとスムーズにできるなーと思ったり。


60〜70点の鉱物を探し、数点は友人のMARUさんの所からセレクトさせて頂いております。


その一つが、表紙になっているデンドリティクアゲートです。(上の写真のイエローの様な模様のルースです)


MARUさんの所は、デンドリティックアゲートが本当にユニークです!


石屋さんによって石の強みが異なるので勿論セレクトも。


インクルージョン系の石をお探しの方は、MARUさんのサイトも是非ご覧下さいませ!



そして本の中には数点、既にお客様の元へ旅立ったピースもあります。


自身のお持ちの石が本に掲載されている事もあるかと思います。


楽しんで頂ければと思います✳︎


今回写真撮影が全て完了してから、


瑛介と編集の方で文章の作成を行い。瑛介は文字数が限られた中で、石のどの部分にフォーカスして書くか悩んでいましたね〜


本のデザインは、IZUMI HADAさん。とても素敵な本のデザインを手がけております。


https://booklog.jp/users/izumihada


監修は、国立科学博物館の門馬綱一先生。

鉱物学・結晶学が専門で、鉱物の成因、結晶構造、結晶成長等を研究している方です。


1冊の本になるまで、一番大変だったのは出版社の担当の方ですね。


私の撮影に時間がかかったからです。


今回いつもの撮影同様、自然光で全て撮影を行ったのですが、普段のマクロレンズより、


もっとスーパーなレンズも使っているのですが、石ギリギリまで近づいて撮影のできるすごいレンズなのですが、


ギリギリまで近づくと本当にお天気がよくないと撮影が出来ないんですよね。


海外の方がこのレンズを使用して昆虫の撮影をしている動画が上がっているのですが、照明を当てて撮影しいますね。


手ブレもしやすいレンズなので、三脚を使用しない私は本当に良いお天気の時にしか撮影出来なかったです。


ライトを当てれば簡単かもしれないのですが、やっぱり自然光でという所にこだわって時間がかかってしまいました。


なんせ島根に住んでいる方なら分かるのですが、11月から3月くらいまでは、雨や曇りが本当に多い。


そして、透明度の高い水晶でもその中に入っている内包物を撮影するのはガラスの中に入っているものを撮影している感じ。


研磨の仕方では、ピントが合いにくいものもあるので本当はもっと寄って撮影した石の不思議な世界を私は見ているのに、それを写真に収めようとするとブレブレで本では使えないんですよね。


その使えなかった写真がこんな感じです笑↓

こちら何の石だかわかります?こちらだけを見て分かる方はすごいです。


ライモナイトインクォーツです笑 

ライモナイトインクォーツは、クォーツの中に染み入る様にライモナイトが入り込んでレインボーが見られます。


そのレインボーの中にこんな世界があるんですが、ブレブレだし、どこを撮ったのか、石と照らし合わせてもわからない!笑 私はわかるんですが笑 本にした時にわからないんですよね。なので出来るだけ


あーこの部分をズームしているんだなーとわかるレベルまでの写真を使っています。


そしてレインボーの写真を撮るとすごく面白くて、ただ色が沢山あるだけじゃないんですよね。

ボツ2枚目のレインボーの写真は↓

こちらもブレブレ。

アイリストパーズのレインボーに焦点を当てて寄って撮ったものです。

石の隙間が模様の様に見えるんですよね〜。


何か書いてあるんじゃないか?!と思ってよーく目を凝らした石が沢山あります笑


瑛介にもう少し画像見たい!と言われたので、もう少しUPしますね。

ボツ3枚目↓

こちらは、ゲーサイトイン アメシストなのですが、黒背景におくとデンドリの層が現れるユニークなピースです。そのデンドリの表情。


こちらもブレているのですが、何よりもこの映像は近くで拡大するより遠くから眺めたほうが美しい笑 ということでした。本では引きでの美しい写真が使われています笑


そしてお次はボツ4枚目。↓

こちらはボケていません。ただ使われていない写真なのですが個人的に好きな写真です。


ライモナイトインアクアマリン です。 イエローのレインボーが出ている部分の模様が好きなんです。



ここからの話しは、私個人の撮影での感想で科学的根拠はないのですが、


石って生き物なんですよね。クォーツは特に振動している様に見えるんです。

それは私の体が息を止めてもピタリと止まっていないからかもしれないけど、スーパーマクロでみると石の中が動いている様に私は見えていました。


クォーツ時計の仕組みってご存知でしょうか?


「一般的にクオーツ腕時計の水晶振動子は1秒間に32,768回振動します。 どんな水晶も32,768回の振動をするわけでなく、 そのカットや形によって振動の仕方が違い、固有の振動数も違います。天然水晶は不純物が含まれ品質にもばらつきがあるため、クオーツ腕時計に使用する水晶振動子には人工水晶を用い正確に32,768回の振動を起こすようカットしています。」


以前人工水晶を作っている方にお会いした時にもっと色々聞いておきたかったー


という時計屋さんの説明を抜粋したのですが、この振動は肉眼では見えないと言われております。


でも私が揺れているのか?石をよーく見ていると揺れているんですよね。


上手く撮れた!と思ってもブレブレだった事もなんどもありました〜


私の技術の問題かもしれませんけどね。


息を止めすぎて具合が悪くなったときもありました笑


その点アゲートは、撮影しやすいんです。


水晶と比べると、ピタッと止まってくれている感じです。

どうですか?!↓

こちらは、マーカサイトインアゲートです。


いろんな点を含め、石の撮影は私を夢中にさせてくれます。


きっともっと上手に撮影出来る方は沢山いると思います。笑


編集の方は、撮影のアドバイスも私のテンションを下げない様に上手に伝えてくれるプロでした。


本当にありがとう御座います。


正直、正直、自分達が行ってきた事が本になるとは思ってもなかった事です。


出版社の方はインクルージョンの石が好きで、何年もインクルージョンの本を作りたい!と思ってミネラルショーに行っていた様です。


私達が関わる石は、自然物。この地球にある大切な一部の鉱物です。


それらは、人間には作れない完璧さを持っている様に感じます。(研磨はコラボですね)


インクルージョンの世界は、自然が作り出したアートであり、共存や包容力を表している様に感じます。


人間も見えている部分はほんの一部で、肉体の中はとても美しい世界なのかもしれません。


(人体の不思議展などで見れる部分もありますね)


本来自然にあるものは、全てが完璧でそれらが共存して美しい地球であるのではないかと撮影をしていて思っていました。笑


そんな美しい自然物の一部を本を通して紹介できたらとても嬉しく思います。


石に興味のない方でも、絵画の様に楽しんで頂けたらな〜。


自然を少しでも側に感じられるツールとなって頂けたらな〜。


と瑛介とこのお話を頂いたときに意図を話していました。


沢山の方に手にとって頂けましたらとても嬉しいです。


それでは、またリクエストがありましたらボツ写真は沢山あるので笑


何か本の事で聞きたいことなどありましたらメッセージくださいませ。


とても長いブログになってしまいました。最後までお読みいただきました皆様ありがとうございます。


トム










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